第22回若月賞
授 賞 式
日 時 平成25年7月19日(金)
場 所 佐久病院教育ホール
若月賞選考委員
井 出 孫 六(作家)
行 天 良 雄(医事評論家、NHK解説委員)
樋 口 恵 子(評論家)
宮 本 憲 一(大阪市立大学・滋賀大学 名誉教授)
表彰理由
1990年国立療養所長寿園が廃止された後、地元住民とともに地域の医療を守るため、医療法人坂上健友会大戸診療所の開設に尽力された。
高齢のため車の運転もままならない交通弱者の方々のため、全国でもあまり例がない患者さんの自宅から診療所への直接の送迎システムを構築し、地域住民の医療へのアクセスを確保することに成功。
診療面においては一人の医師を毎日常駐させることが不可能であったことから、発想を転換し複数医師による診療体制を確立した。各科(内科、外科、精神科等)の医師が日替わりで診療を行い、一週間通せば総合病院になるというシステムである。そして、一人の医師が患者さんの主治医になるのではなく診療所が主治診療所になるというあり方を確立した。この形態は地域住民にも広く受け入れられ、地域にとっては無くてはならない診療所となっている。
平成7年からは大戸診療所健康まつりを開催、現在では6000人を集める地域の一大イベントとなっている。また、平成12年デイケアおおどを開設、平成16年には訪問介護ステーションおおどを開設してデイケア、通所介護にも力を入れている。
この診療所の運動形態は医師不足の中、へき地診療所においては学ぶべき多くの点を含み、へき地診療所を中心とした新しい地域医療のあり方のモデルを示すものである。
今野義雄氏 略 歴
昭和21年 9月 福島県浪江町生まれ
昭和40年 3月 福島県立小高工業高校卒業
昭和40年 4月 三菱金属鉱業(株)(現、三菱マテリアル)勤務
~昭和50年
昭和50年10月 全日本国立医療労働組合勤務
昭和51年 8月 全医労群馬地区協役員
昭和58年 8月 国立療養所長寿園廃止反対運動に専従
平成 3年 6月 診療所設立の取り組み開始
平成 4年 2月 医療法人坂上健友会設立準備会
平成 6年 8月~ 医療法人坂上健友会常務理事
平成 6年10月
~平成23年9月 大戸診療所事務長(法人常務理事兼務)
平成23年10月 医療法人坂上健友会常務理事 現在に至る