血圧の話(1) 高柳 孝行医師
今は血圧計の普及によって家庭でも血圧を測る機会がありますが、昔は診察室で高い値 が出た場合、少し加減して値を抑えて話すようなこともありました。
血圧は心臓が動脈を通して全身に血液を送り出す圧力で、収縮して最も高くなった動脈
内圧を最大血圧(収縮期血圧)といい、心臓が拡張して、次の収縮のために血液を留め ているときの最も低くなった動脈内圧を最小血圧(拡張期血圧)といいます。
昔は最大血圧/最小血圧を160/95以上で高血圧とし、正常血圧(140/90未満)と高血 圧の間を境界型血圧ともいっていました。
また巷では年齢に90をたした値がその人の標準的な血圧などといわれた時代もありました
た。しかし現在では高血圧が続くことによって動脈硬化が進み、心臓や血管系の病気の 発症や進行・再発を来すことが知られ、140/90以上は高血圧として治療の対象として おり、上は140以下、下は90以下を治療目標としています。