「検査では異常ありませんでした」
みぞ落ちのあたりが痛み、病院で胃内視鏡や腹部超音波検査(エコー)を受けて症状の原因となるような異常を認めないと、このような表現で説明されることがよくあります。
症状から医師が可能性のある病気をいくつか考え、検査方法を選択します。
この場合は、食道、胃、十二指腸、胆のう、肝臓、すい臓の病気を念頭に検査したわけですが「異常を確認できなかった」という意味です。「病気がない」ということではありません。
医師は次のステップとして症状と検査方法の再検討をします。
患者さんからの症状の情報が正確な診断、有効な治療への道標になります。
高齢者、認知症、難聴などコミュニケーションのとりにくい場合では、家族からの情報が重要となります。
多忙な外来で要領よく情報を伝えるのはお互いに難しい面がありますが、普段からメモにまとめておくことは有効な手段です。
大戸診療所 所長 佐藤博司