外来で患者さんに「どうしましたか?」と質問すると、「風邪を引きました」、「インフルエンザにかかりました」、「食べ過ぎました」など、診断名に近い返答が来ます。
このような返答は医師の誤診に結びつくことがあります。
患者さんは何らかの心身の苦痛を感じたから受診したわけですので、その苦痛、具体的症状を述べることが重要です。
特に多忙な外来受診では、医師の心理として早く診断名を付けて薬を処方し決着を付けたい、という気持ちになってしまいがちです。
これが誤診への入り口です。
突然の高熱がでて、頭痛もあり、40度近い熱が一週間も続いている。しかし咳やのどの痛みはない。
こうなるとインフルエンザは考えにくい。
その他に気になる症状はないかと聞くと、脇の下に虫に刺されたような跡があり、体に発疹が出た時期があったといいます。
これはツツガムシ病が強く疑われます。
自分の言葉で気になっている症状を具体的に医師に伝えることが大切です。
大戸診療所 所長 佐藤博司