『尿検査でわかること』

検尿は簡単な検査ですが内臓の状態を大まかに検査できます。

尿の性状が透明、濃い、泡が立つなど変化する、病気ではないかと質問を受けますが、病気がなくとも食べ物、飲水量、発汗量で尿の性状が変化するのが普通です。

いつも透明、いつも濃い場合は逆に異常です。

赤い尿の時は血尿、紅茶色の時は黄疸があるかを見ます。

血尿は腎臓から尿道まで尿が作られ通過するどこかに炎症、腫瘍、結石がある時みられます。

黄疸は肝炎や胆石などの時認めます。

 

見た目にわからない変化には潜血、タンパク尿、尿糖があります。

潜血、タンパク尿では、慢性腎炎が疑われます。

尿糖は糖尿病で有名ですが、軽い糖尿病では尿をとる時間によっては糖が出ない場合もあります。

中高年の血尿は、腎腫瘍や膀胱腫瘍、尿路結石などの精密検査が必要です。

生活習慣病(高血圧、糖尿病)などで治療中の方のタンパク尿は、生活習慣病の治療が不十分な可能性があります。

検尿は簡単な検査ですが、前回述べた慢性腎臓病の発見に大事な検査です。

 

大戸診療所 所長  佐藤博司

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