帯状疱疹・50歳代から発症増加 ① 高柳孝行 医師
帯状疱疹は水ぼうそうの原因である水痘帯状疱疹ウイルスが引き起こす皮膚の病気です。
このウイルスは水ぼうそうが治った後も神経節に残っており、加齢や強いストレス、疲労などで免疫力が低下すると再び活性化します。水ぼうそうにかかったことがあれば誰でも帯状疱疹に係る要因があります。50歳代からリスクが増し、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。
症状としては皮膚病変が出る数日前から神経痛様の痛みが出て、その神経の皮膚の分布に沿って顔や胸、背中など体の左右どちらか一方に程度の差はありますが発疹や水ぶくれが帯状に現れます。顔に出た場合は要注意です。目を含む範囲の時は結膜炎や角膜炎を起こし、視力の低下や失明することもあります。また顔面神経麻痺や耳鳴り、難聴、めまいなどを起こすこともあります。
帯状疱疹の発症自体は人から感染するものではありません。もともと体の中にいたウイルスの再活性化によるものです。しかし水ぼうそうにかかったことのない人が帯状疱疹の人に接触すると水ぼうそうになる可能性があります。近くに乳幼児がいる場合は注意が必要です。