転倒に気をつけて 髙栁孝行 医師
高齢化社会の進行に伴って健康寿命も延びていますが、人は年を重ねるにつれて筋力の低下や運動器の障害、骨粗鬆症などによって思わぬ障害が起こることがあります。
特に骨がもろくなる骨粗鬆症では転倒による骨折が一番の心配です。特に冬場は厚着をした上に体の柔軟性も低下しています。
転倒の危険な兆候として①ここ1年の間に一回以上転んだことがある。②服薬数が多い、特に睡眠剤、安定剤など。③以前に比べて身長が3㎝以上低くなった(両手を左右に広げた長さより3㎝以上身長が短いと骨密度の低下や、骨粗鬆症が疑われる)などがあげられます。
室内での転倒も多く見られ、室内の段差、部屋の置物につまずく,などに注意が必要です。歩き方も大切です。後ろ足のつま先でしっかりと地面を蹴るように進み、かかとから着地して目は前を見て歩くことです。
日常生活の中で、歩く、またぐ、昇る、降りるといった動作を意識して自分のペースで行うことを心掛け下さい。バランス訓練と下肢の筋力訓練を含む運動が必要です。また普段から食事に気を付けてカルシウムとカルシウムを効果的に吸収するために必要なビタミンDを摂ること(ビタミンDは日光浴でも皮膚で作られます)
最近、お年寄りが転倒・骨折で入院される方が見られますので日々意識して転倒にはくれぐれも注意してください。