フレイルについて  ①      髙栁孝行医師

 フレイルという言葉を聞いたことがありますか。新聞や週刊誌などでも取り上げられていますが、健康な状態と要介護状態の中間の状態のことで加齢に伴って筋肉や心身の活動が低下して虚弱になったことを言います。フレイルの人は介護を必要とする状態に近いものの栄養や運動などの改善に早めに取り組むことで元気を取り戻しやすいといわれています。人の平均寿命は凡そ男性で81歳、女性で87歳ですが、健康寿命-「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活ができる期間」と平均寿命の差は、つまり健康ではない期間は男性が8.8年、女性が12.8年余りといわれています。この要介護状態になる前のフレイルの階段で予防対策をとることが大切です。まず自身のフレイル度をチェックしてみてください。

 :この6ヶ月で体重が2.3㎏減少した

 :疲れやすくなった

 :歩く速度が低下した(1秒に0.8m以下)

 :握力が低下した(男性26㎏未満・女性18㎏未満)

 :身体活動量の低下(週1回以上の外出や運動・スポーツしていない)

など、あてはまるものが3項目以上あるとフレイルの可能性があります。日本人の地域で暮らす高齢者の凡そ10%はフレイルの状態にあるといわれています。フレイルの人が元気を取り戻すためにどうしたらよいか。次回はフレイルの予防についてお話しします。

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