ピロリ菌について 高柳 孝行先生
ピロリ菌は胃の粘膜に住みついた細菌で胃がんの原因ともいわれ、胃がんになった人の
95%以上はピロリ菌に感染していたといわれています。
ピロリ菌に感染すると菌のだす毒素で胃の粘膜が壊され、除菌しないと約10%に胃・十二指腸潰瘍の発症がみられ、10数年以上程で萎縮性胃炎に進行し、胃がんになる率が高まるといわれています。感染経路は衛生状態の悪い井戸水や上下水道を介して幼少期に経口感染するといわれており、大人になってからの感染はあまりないようです。
ピロリ菌の検査は、検査用の薬を飲んだ後に吐いた息を調べる呼気試験や、血液・尿・便などで調べる方法があります。感染が判明したら、胃内視鏡検査で胃炎や胃がんなどないか調べます。胃痛や胃もたれなど症状がある場合は直接内視鏡検査をしてピロリ菌の有無を調べてもらうといいでしょう。
ピロリ菌が陽性の場合はためらうことなく除菌治療をします。また除菌が成功しても胃がんになる可能性がゼロになるわけではありませんので、治療後も定期的に検査を受ける必要があります。