ピロリ菌について 高栁 孝行
胃の症状があったり、人間ドッグなどで胃カメラをした際、ピロリ菌の感染が認められたという人は結構多いと思います。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌で胃がんや慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などの原因になります。感染経路は衛生状態の悪い井戸水や池の水などを介して経口感染すると言われ、高齢世代には多くみられますが、衛生状態が良くなったこともあって若い世代ほど感染率は低くなっています。
ピロリ菌が確認された場合は積極的に除菌することが勧められます。ちなみに胃がんの8割はピロリ菌感染が原因と言われていますが、除菌したからと言って絶対に胃がんにならないわけではなく、再感染もゼロではないようです。又除菌に伴う薬の副作用や、除菌後の問題として胃酸分泌の増加による胃炎や逆流性食道炎、胃の調子がよくなって食欲が進み体重増加をきたす人もいるようです。
いずれにしても除菌したからそれでよしとせず、定期的な内視鏡による経過観察は必要です。