動脈硬化はよく耳にする言葉ですが、実際どのような状態かイメージするのが難しいです。
ゴムホースのように弾力のある血管が硬くなり、血管の内側がデコボコした状態をいいます。
最近は超音波検査(エコー)で首の両側にある頸動脈を見るとこの血管の内側のデコボコを調べることができます。
脳梗塞や心筋梗塞の起こしやすさを予測できます。
特に高血圧、糖尿病、高脂血症のある方、喫煙者は、頸動脈硬化が強い傾向にあります。
生活習慣病の治療状況の評価に有用な検査です。
頸動脈の超音波検査では血管の内腔が狭くなっているか、血管の内膜中膜(血管の内側の壁)が厚くなっていないかを調べます。
内膜中膜が厚くなっていると、心臓の冠動脈も動脈硬化の程度が進んでおり、心筋梗塞を起こしやすいといわれています。
また頸動脈が狭くなっていると、脳梗塞を起こす危険性が高まります。
頸動脈の検査で動脈硬化の程度が強い場合は、脳のMRIや心臓の精密検査が必要となり、その結果で脳梗塞や心筋梗塞予防の治療を検討します。
大戸診療所 所長 佐藤博司