『食物依存性運動誘発アナフィラキシー』とは学童期にみられるまれな食物アレルギーです。
以前に大戸診療所にもこの症状の中学生が受診しました。
昼食時に小麦粉(パン・うどん等)や魚介類(エビ・カニ・イカなど)を食べ、2時間以内に激しい運動をした場合に20~30分で全身のじんま疹が出現。
のどのむくみ、喘息症状などの呼吸困難を伴い、意識がもうろう、ショック状態になる場合があります。
食物アレルギーと激しい運動の組み合わせで症状が出るのが特徴です。
症状が出るきっかけになった運動が原因のアレルギーと考えがちですが、予防のためにも運動する前に何を食べたかを確認し、この食べ物のアレルギーだと診断しておくことが大事です。
重症(アナフィラキシーショック)になりやすいので、速やかにアドレナリン筋肉注射で対応し、医療機関の救急受診治療が必要です。
予防は、①原因食物を避けること、②食後3時間以内の運動を制限すること等があげられます。
大戸診療所長 佐藤博司