熱中症の起きやすい季節になりました。
熱中症は高温、湿度の高い環境で作業や運動をしているときに体温が上がりすぎるのを防ぐ体の反応に関連した脱水症状と体温調節ができなくなり高熱を呈し、多くの内臓が障害(多機能障害)され、命にかかわる状態をいいます。
高体温を防ぐからだの反応としては、発汗と体表の血管が拡張して放熱が起きます。
水分、塩分補給が発汗量に追いつかないと脱水症状として、めまい、立ちくらみ、こむら返りを起こします。
この段階では体温上昇はありません。
さらに進むと、血液の循環が悪くなり、頭痛、嘔吐、だるさ、受け答えがはっきりしなくなります。
体温は上昇し始め医療機関での治療が必要です。
この状態を放置すると、体温は40℃以上になり、いろいろな臓器が障害を受け、死亡率が高まります。
予防段階は、普段から食事をきちんと取り、高温、高湿度下での作業、運動時はこまめに日陰や風通しの良いところで休息、水分補給、塩分補給をすることです。
発汗が多量にあり、めまい、立ちくらみを感じたら要注意で、作業、運動を中断して下さい。
普段高温下での仕事に慣れていない人、肥満、心臓病のある人は、熱中症にかかりやすいといわれています。
作業、運動する場所に簡易熱中症指数計(2000円~3000円で購入できます)を置くのも予防に有効と思います。
大戸診療所 所長 佐藤博司