この冬は長く厳しい寒さが続きました。
寒い冬から暖かい春になるのに体調を崩す方が意外と多くなります。
これは気候の変化に体が慣れるのに高齢者ほど時間がかかること、冬の間に体力、筋力が低下していることに関係があります。
このことについて注意しないと、暖かい日差しに誘われてついつい庭仕事、農作業に根を詰め、体調を崩すことになります。
具体的には転倒による骨折、水分不足による脳卒中、心臓の持病を持つ方の心不全が目立ちます。
風邪やインフルエンザもまだ小流行しており、こじらせ肺炎になります。
体調管理で特に気をつけることは、まず歩行機能のチェックです。
立ったり座ったりするとき、ふらつきを感じないか、杖を上手に使えるか、坂道を下るとき不安を感じないか。
春でも日中の仕事では汗をかきます。
外仕事の前後にはのどの乾きを感じなくても水分補給を忘れないことです。
脱水は、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になります。
心臓の持病を持つ方は、無理をしたり、塩分をとりすぎると、夕方に足のむくみが出たり、歩くと息切れを感じます。
お年寄りが庭仕事や農作業を続けることは大変良いことですが、気持ちがあっても体力がついていきません。
ゆっくり体を慣らしながら、自分の体力に合わせて仕事をしてください。
5月の連休にかけて体調を崩し入院する方が意外と多いようです。
大戸診療所 所長 佐藤博司