百日咳は乳幼児に流行する激しい咳の病気です。
乳幼児への予防注射の普及で流行は減っていましたが、最近では20歳以上の成人での流行が増えています。
成人では軽い咳が長引くだけで重症にならないので見逃されやすく、乳幼児への感染源になることがあります。
子どもでの症状は、はじめは鼻水や軽い咳ですが、1週間くらいすると強い咳が連続して出るため息を吸う暇もないくらいになります。
咳発作時に吐いたりして食事もとれなくなります。
咳発作の合間に呼吸するので、息を吸うときにヒューヒューと笛の音のように聞こえます。
6ヶ月未満の乳児では、突然呼吸困難になったりします。
大人では症状が軽いため放置されたり、軽い咳ぜんそくと間違われます。
家族に乳幼児がいる場合は、感染予防の意味でも長引く咳のときは医師に相談しましょう。
周りへの感染を防ぐ意味から抗生物質を内服する場合もあります。
普通は2~3ヶ月で自然に治癒します。
大戸診療所 所長 佐藤博司